米宗 美山錦 純米吟醸 に使われる、長野県上伊那の「美山錦」の田んぼの風景です。
先日、
上の写真が青木社長さんから届きました。
ちょっと画像が小さいですが、この写真、ものすごく情報が詰まっています。
一番最初に判断したいのは、山あいにある田んぼか平野部にある田んぼなのかということです。
木々がすぐ近くに写っていないので、一見、判断が付きにくい感じはありますが、まあ、山の中腹の広い場所という感じでしょうか。
標高もかなりあるように感じます。
(これは感じるままにそう思うだけですが・・)
(実際には600m程だそうですよ。)
実はこの2つが揃うという事は、山の田んぼとしてすごい好条件なのだそうです。
日照や水はけ。
(これはまあどこであっても良い方がいいに決まっていますが。)
ここは、伊那谷(いながや)と呼ばれる地域で、南アルプスの麓から山あいに掛けてのところです。
なので、この田んぼは南から南東に向いた場所にあると思われます。
つまり、日照が良好な場所ということです。
(伊那谷は長野県が誇る穀物や果実の優良栽培地域です。)
(かなり、広範囲に及びます。)
木岐が茂っているところからちゃんと良い距離で離れている。
なので、影の時間がほとんどない。
やはり、昼は太陽を浴びて稲が育ち、夜はちゃんと冷えてくれるという、昼と夜の寒暖の差が美味しい食物を育ててくれる。
味の豊かさが違う。
ただ単に夏が暑いだけ。
逆に夏もず~と涼しいだけ。
味にしまりがない。
硬い米
味がとぼしい。
とまあなります。
ワインの世界で一時期ものすごく「テロワール」ってよく言ってました。
(まあ今も同じように言ってはいますが・・)
これ、酒造好適米であっても全く同じことなのです。
フランスのブルゴーニュはですねえ
だって一日の積算温度とか、太陽の入射角度とか。
それはもう細かいデータを言うのですから。
それに比べれば日本酒の世界はのどかですねえ。
お米の採れる場所の優劣をことさらに強調しません。
ワインですと、品種の特徴はこれこれでってやりますけど、
酒造好適米は、そこまでは言いません。
まあ、いくらこの品種の特徴はって言われても、それはあくまでも参考資料。
そう捉えていた方がいいとおもうのですが、
しかし、ワインの世界はその逆です。
このワインは、その特徴が上手く出ていないよ。
ダメだねえ。
いやね、そういう判断の方がおかしいでしょ。
ワインの話しはさて置き。
日本酒の場合は、酒造好適米の価値と共にその米を活かしたおいしいお酒をどのように醸すか。
ここに杜氏の腕が問われます。
え~と、
田んぼに話を戻します。
山の木々が茂っているところにあると、猪や猿の被害が考えられます。
次に、害虫。
そして、鳥。
標高が高いと害虫の被害はそれ程ないそうです。
なので、農薬もほとんど必要なくなります。
鳥ですが、
これも標高が高いと平野部にある田んぼで心配な「すずめ」がいません。
生息域としての高さが違うそうです。
トンビや鷹の生息域になってくるので、いわゆる猛禽類ですから、食べるものが違うようです。
つまり、上の写真から、酒造好適米の田んぼとして、すばらしいところであることが想像されるのです。
一枚の写真から・・
2014.09.27(土)