ワインを知っているって何だろう。(その2)
(続き)
私が思うには、
要するに、ワインの味を見る時の「美味しい」というニュアンスが曖昧なのだと思います。
最近コンビニで当たり前になった「100円コーヒー」
どこそこのチェーンが今まで180円だったものを、対抗上100円にした。
何てニュースがありました。
この100円コーヒー、これだけ定着したのはやはり「美味しい」から。
これは間違いなく言えると思います。
この時の、「美味しい」という言葉。
これをですよ、「コーヒー専門店」で出される500円とか1,000円とかするその味の「美味しい」と一緒ではないと思います。
つまり
同じ「美味しいコーヒー」でも、その美味しさは違います。
だってこれ、
同じだとしたら、コンビニ100円コーヒーを飲むようになったら、500円も出してコーヒーを飲もうなんてお客さんが居なくなります。
このニュアンスはお分かり頂けると思います。
これが、日本のワインの世界にはちょっと無いように思えます。
私はホントこれってすごく重要なことだと思うのです。
このニュアンスを消費者が身に着けてワインを楽しむようになること。
それが理想の姿です。
仮にこういう捉え方がコーヒーに無かったとします。
するとどうなるかを想像しますと、
500円なんだから、すごい香りがいいとか。
苦味が半端なくあるとか。
(それがコーヒー通の味とか言われそう。)
1,000円なんて言ったら、もうコクとか甘みとか、そりゃあすごくって。
でもそれって全部がそうではないでしょ。
やはり、理想は、本当の上質な味わい。
ここに価値がある。
決してどこかを強調したりしないけれど、でもこの何とも言えない優雅な落ち着きある味は、やはり1,000円出さないと味わえないとか。
ハイ、こんな話をお客様とさせて頂きました。
ありがとうございました。
2014.10.10
(終り)