2010年5月2日
千種区H様との会話
新規取扱いの長野県の地酒「今錦おたまじゃくし」をお試し頂き、その後、H様とは、この日多くのお話とそして励ましを頂きました。
その一部を書いてみます。
(H)最近とても多くの日本酒が出ているけれど、何が良い酒、どれが美味しいのとなると困っ
てしまう状況ですよね。
何故、こうゆう状態になったのですか?
(Y)普通に飲む酒、つまり昔から燗にして出される酒が酒臭いとか言われて敬遠されるよう
になり、今のような香りの良い飲みやすい酒になっていったのかもしれません。
(H)でも、それって、日本酒本来の姿ではないでしょ。
(Y)う~む、そうですね。昔からの価値観からすると、そう言えるかもしれません。
つまり、あくまでも一つのジャンルと言いますか、タイプの一つだと思います。
良い酒の定義が曖昧になってしまいました。
別物と考えた方がいいかもしれません。
(Y)普通の酒を燗にして出すというのは、至極当たり前のことだったのです。
本来、そうゆう酒の中で美味しいと呼び声の高い酒が銘酒と呼ばれたのです。
つまり、50℃くらいに燗を付けても、香りが鼻につ~んとくることもなく、少し冷めた頃合い
の40~45℃くらいのぬる燗で飲むと喉をす~と通っていくような飲みやすさと旨さを兼ね
備えた酒。
そこに、甘口とか辛口とか在って、すっきりとか芳醇とか在って、その上で地方の色が出
ていたのですね。
(H)おでんに熱燗って言うけど、今の酒って熱燗に出来ないですものね。
(Y)そうなんです。
だから、別物として、ジャンルの違いをお伝えしてから売らなければいけません。
(H)ということは、燗にしたときに不味い酒が多く出回っていてこうなったということですか。
(Y)結局、価格競争で、品質を下げた結果、自らの首を絞めたということかもしれません。
それを反省して、売れる酒を模索しながら研究開発が進み、今の状況になったのでしょ
う。
只、それは良い事ではあったのですが、今となっては困ったことになった事があります。
(H)え、何なのですか。
(Y)先程の話から、次に日本酒を売り込む時に使ったキャッチフレーズがですね、「良い酒は
冷やで飲むものだ」ということを言ったのです。
(H)ああ、それで益々、燗をする旧来型の酒は品質改善がおざなりのままで、冷やで飲んで
美味しいタイプの開発が進んだのですね。
そして、今の状況になっていったと・・。
(Y)まあ、おざなりのままということはないと思います。
ただあまりにもイメージが悪くなり過ぎたという事だと思います。
本来のと言っても過言ではない、いわゆる昔からある一般的な普通の酒。
そうゆう酒が、日本酒市場のど真ん中に在ってこそ、現在出ている様々なタイプも楽しめる
し、選ぶのに迷うこともなくなると思います。
ですから、一つ一つを分かってお買い求め頂き、且つ、それぞれに楽しんでもらうことが出
来たら、今はすごいバリエーションがある時代だと言えます。
普通酒、純米酒、吟醸酒、大吟醸に古酒まであるのですから。
そこに、しぼりたての原酒も今ではもう当たり前のように楽しめますからね。
(H)よく分かりました。そうゆうこと何ですね。
しかし、この「今錦おたまじゃくし純米酒」は燗もいいですね。
冷やも良かったけど・・。
(Y)ありがとうございます。
(H)こうして、ご自分の納得のいく酒を取り扱っていかれる訳でしょ。
それってすごい事だと思いますよ。
もっと、発信しなくちゃ。
飲める店の紹介もいいんじゃないですか。飲食店にとっても宣伝になるし。
(Y)そうですね、そうゆうコンテンツも増やしてみたいと思います。
本当に今日はありがとうございました。